オウンドメディアを運用するポイント|数値分析・集客手法・コンバージョン(CVR)
安藤隼人
オウンドメディアを構築し、運用を始めたが半年~1年ほど経過しても成果がでない、確実に数字で結果を残したい。このような悩みを持つオウンドメディア担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
最近はブログ型のオウンドメディアが主流になっていますが、ブログ型オウンドメディアの運用は、ある程度のセオリーが存在します。セオリーを無視してしまうと、PV数を上げていくことは難しいでしょう。
しかしながら、ブログ型オウンドメディアの運用工程は決して難しいことではありません。方法を覚えれば誰でもできる内容です。
今回は、オウンドメディアを運用するポイントについて数値分析法・集客手法・コンバージョン率(CVR)を交えてお伝えします。
- 目次 -
オウンドメディア運用のポイント
さっそくオウンドメディア運用のポイントについて、みていきましょう。
顧客の悩み・課題を解決できるコンテンツを提供し続ける
オウンドメディアには、「調べ物をする人」にリーチするコンテンツ制作をする、という前提があります。潜在顧客にリーチし、見込み顧客から顧客へと育てていくために、悩み・課題を解決するコンテンツを発信することが必要です。
SEOを意識したコンテンツ制作
検索上位を狙うブログ型のオウンドメディアでは、SEOの知識は必須です。構築時に設定したキーワードとその関連キーワードについて記事を追加していきます。
記事を執筆する場合は、タイトルとh2の見出しにはキーワードの入れ込みが必須。本文にも関連キーワードを取り入れ、記事を制作しましょう。
コンテンツの検索順位を監視
Google Analyticsなどで、月一回や週一回など周期を決め、定期的に検索順位を監視することは必須です。
しかしながら、順位が上がった要因は比較的読み取りやすいですが、上がらない要因は推測しにくいのが事実。順位を監視する中で、順位が上がったコンテンツの中から1位を取れそうなキーワードをリライトしていきます。
コンテンツのリライト
一般的にはビッグキーワード(月間検索数10000前後)よりもミドルキーワード(月間検索数1000前後)やスモールキーワード(月間検索数100前後)の方が検索順位1位を取れます。ミドルキーワードやスモールキーワードのコンテンツ中心に、リライトの優先順位を決めるのがおすすめです。
また、リライトはコンテンツ内容の修正よりも加筆を優先します。関連キーワードの網羅性を高められるよう加筆しましょう。
滞在時間や離脱率などの指標でリライトの方針を決めるのも重要です。滞在時間が短いのであれば、導入を編集して引きを作る、画像をたくさん使って読む際にストレスがかからないようにする、などの対応が有効。離脱率が高いなら、関連する記事を紹介してサイトの回遊率を高めましょう。
その他では、イラスト作成や、一覧表などを挿入して読み取りやすくすることもおすすめです。
オウンドメディアが会社の方針に沿っているかチェック
コンテンツの追加やリライトは、オウンドメディア運用の中核を担う重要な作業ですが、サイトのコンセプトがぶれないように注意する必要があります。会社の方針転換により、サイトのリニューアルなどが必要になる場合もあります。
オウンドメディアに必要な人材
オウンドメディアのコンテンツを制作していくには、さまざまな人材が必要です。どのような人材が必要か、順番にみていきましょう。
ライター
オウンドメディアの記事を作成します。校正者や編集者の指示に従い、記事のリライトも担当。校正者や編集者から指摘があった場合は修正し、再提出します。
編集者
校正者やデザイナー、ライターの連絡取りまとめなどを実施します。細かいところでは、レギュレーションに沿っているか、コピペをしていないか、画像の管理、文字数調整、情報の正誤確認なども対応します。
校正・校閲者
校正とは「作業の中間段階で印刷や画面表示したものを、原稿と比べながら、種々の誤りや不備を正すこと」。校閲とは「文書・原稿などの誤りや不備な点などをしらべること」です。
校正は、原稿と印刷物の間で間違いや不備がないか見ることがメインの仕事。そのためWebコンテンツ作成、特に記事作成の際には、校閲に重きをおいた対応をとることになります。さまざま文章の制作経験と、オウンドメディアのトーン&マナーを理解できる力が求められます。
監修者
監修者は、校閲者とともに記事内容に誤りがないかチェックをします。
制作コンテンツのジャンルに秀でた人材が監修者となることが多く、場合によっては著名人が担当することも。
自社でオウンドメディアを運用している会社は、広報や法務、情報委員会などの部署で監修をすることがよくあります。
デザイナー
デザイナーは、サイトのデザイン全般を担当します。イラスト制作やCTAのバナー作成、必要に応じたコーダーへの指示も担当範囲です。
コンテンツ配置の変更やサイトのリニューアルなどの必要が出た場合にも、Webディレクターなど関係者と調整をしながら対応していきます。
コーダー
WebデザインをパーツにしてHTMLやCSSなどでホームページを構築し、Webページのデータを作る役目があります。
小規模のオウンドメディア構築ではWebデザイナーがコーダーを兼任することもあります。
Webディレクター
Webサイトを制作する際に、全体の指揮をとるのがWebディレクターです。オウンドメディアのコンセプトを基にWebデザイナーや編集者などに指示を出し、オウンドメディア構築のリーダーを努めます。
オウンドメディアの制作には多くの人が関わります。1人ですべて対応することもできますが、質のよいオウンドメディアを早く構築するには、よい人材を確保して作業を分担すべきです。
オウンドメディア運営で知っているべき知識
ここからは、オウンドメディア運営で知っているべき知識について、みていきましょう。
数値分析手法
オウンドメディアをGoogle Analyticsなどで分析する場合には、意味を知っておくべき重要な指標がいくつかあります。ここでは代表的な指標をあげていきます。
平均ページ滞在時間
ユーザーが、オウンドメディアのページを閲覧した時間の平均です。ユーザーが対象ページを閲覧し始めた時間から、他のページへ遷移するなど閲覧を終了した時間までで計測します。
ただし、注意しなければならないのが、ユーザーは「タブ機能」によってページを閲覧したままにできるという点。この場合は、ユーザーの平均ページ滞在時間が異常に長くなることもあります。
直帰率
ユーザーが、オウンドメディアを閲覧した際に、1ページしか見ずにオウンドメディアの閲覧を止めてしまうことを「直帰」と呼びます。直帰率は全体のPV数に対して直帰した割合を指します。
平均ページ滞在時間が短く、直帰率が高い場合は、コンテンツがユーザーのニーズに合致していない可能性ありです。
ユニークユーザー数(UU数)
特定のWebサイトもしくはWebページに訪れたユーザーの数を表します。PV数は、同じユーザーが再度ページを訪問した場合でもカウントされますが、UU数は同じユーザーが複数回訪問してもカウントされません。純粋な訪問者数をチェックできます。
検索順位
特定のキーワードに対する各ページの検索エンジンでの検索表示順位のことです。
例えばGoogle Search Consoleでは、Googleでの検索順位を調査可能です。定期的に順位を確認し、順位が上がったコンテンツはリライトをかけて1位を狙いましょう。
コンバージョン率(CVR)
コンバージョンとは、オウンドメディアの最終成果のことを表します。例えばECサイトであれば商品の購入、サービスや商品の紹介サイトであれば資料請求などがコンバージョンです。
コンバージョン率(CVR:Conversion Rate)とは、オウンドメディアの閲覧に対してコンバージョンが発生した割合を示す指標です。
分析の基となる数値は、次のようなツールで収集できます。
グーグルアナリティクス(Google Analytics)
Webサイトの検索結果の状態と、被リンク数、キーワードなどの情報やGoogleが認識しているページ数、Googleクローラーのクロール状況が把握できます。Googleクローラーの呼び寄せや、サイトマップの送信、任意のURL非表示などもサーチコンソールから実施できます。
サーチコンソール(Search Console)
指定した期間のうちに対象のページをユーザーが閲覧した回数です。ページごとのPVを見比べることで、オウンドメディアのどのコンテンツがアクセスされ、注目が集まっているのかを調査できます。
集客手法
オウンドメディアには誰もが集客したいと思うはず。オウンドメディアの集客にはさまざまな方法があります。
検索順位を上げる
検索順位を上げられると、サイトを訪れてもらいやすくなります。「SEO in Philadelphia」が調査したデータによると、自然検索のクリック率は次のようになっています。
順位 | 自然検索の クリック率(%) |
1位 | 15.08 |
2位 | 10.26 |
3位 | 7.32 |
4位 | 4.94 |
5位 | 4.95 |
6位 | 2.21 |
7位 | 2.04 |
8位 | 2.39 |
9位 | 1.45 |
10位 | 1.84 |
検索順位1位~3位で実に3割以上のクリック率を誇ります。中でも1位のWebサイトクリック率はその半分近くの15%をたたき出しています。Web集客において検索順位1位を狙うことは基本中の基本です。
広告とオウンドメディアを併用する
オウンドメディアのSEO対策などに頼るだけでは、アクセス数は得にくいもの。リスティング広告などと併用すれば、自然検索以外に広告クリックからの流入を見込めます。
SNSを運用してオウンドメディアへの流入を狙う
SNSにアカウントを作成しておき、オウンドメディアで記事が更新されたことをフォロワーに知らせることで流入を狙う方法もあります。SNS広告などと併用して宣伝もできます。
セミナーなどのイベントを実施
リアルイベントを利用してオウンドメディアの告知やサービスの宣伝などをすると、オウンドメディアへの流入に効果大です。
コンバージョン率(CVR)を高める手法
コンバージョンを高める方法には次のようなものがあります。
サービスや料金の紹介ページなどを作る
自社サービスや商品の購入が目的のオウンドメディアの場合は、特にサービスや料金の紹介ページに力をいれましょう。サービスや料金の紹介ページ経由のCVRは決して少なくありません。
入り口サイトの内容を改善する
最初に目にしたページに少しでも違和感を覚えれば、ユーザーはブラウザの「戻る」を押してしまいます。入り口からコンバージョンまでスムーズにつながりやすく、ユーザーがページ移動するタイミングを排除できるとCVRは改善します。
不必要な内容を排除する
無駄なコンテンツの排除やレイアウトを変更することで、すっきりと読みやすい記事にできます。特にスマホのユーザーは読みやすくなるため、スマホからの平均滞在時間の改善などにも効果があります。
ボタンなどの導線の周辺を改善
ボタンの文言を変更するだけでも、コンバージョン率に影響することがあります。ボタンが目立たない、数が少ないなどの場合は、改善の余地ありです。
カスタマージャーニーを描き出す
カスタマージャーニーとは、ペルソナの時系列ごとの行動・思考・感情を表したもの。直訳すると「顧客の旅」です。
まずはカスタマージャーニーのゴールを定義します。商品の購入なのか、それとも問合せでよいのかなど、明確に定義しておくことがポイント。その後、ゴールに至るまでの過程を描いていきます。
オウンドメディアのポイントを理解して効率的な運営を
オウンドメディアの運用には5つのポイントがあります。
- 顧客の悩みを解決できるコンテンツ
- SEOを意識したコンテンツ制作
- コンテンツ検索順位のチェック
- 検索順位が高いコンテンツのリライト
- オウンドメディアの方針チェック
これらのポイントを押さえるためには、人材、分析手法、集客手法などを頭に入れて対応する必要があります。
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