コンバージョンレートを向上させる6つの分析ポイント
シードー
メールニュースを開いたりWEBサイトを訪れたりした潜在顧客に行動を促し、いかに問合せやユーザ登録といった段階的なゴールに繋げるか。そうした各コンテンツの成約に至る確率は、WEBマーケティングにおいて最も注目される要素の1つです。
メールニュースやランディングページを2種類デザインしたとき、どちらの方がCVR(コンバージョンレート)に有利かを予測することは、一見簡単に思えます。しかし、実際にテストをしてみると、不利と思われたものの方が好成績を上げることも多いのです。
そこで今回は、英国に本社を置く老舗のグローバルメディア企業「UBM」が運営するコンテンツマーケティングブログより、CVRを上げるために分析すべき6つの要素をご紹介します。
- 目次 -
1. 価値の主張
他社にはない、自社のサービスにだけ含まれる利点をはじめ、提供する商材が持つセールスポイントや価値をコンテンツ内できちんと主張することは、とても大切です。
ハーバードビジネススクールのザルトマン教授によると、購入全体の95%は潜在意識が決定しているといいます。そのイメージを式で表すと以下のとおりです。
購入動機 =(認識している利益)-(認識している価格)
つまり、「その物を購入して得られる利益に関する知識」が、「支払わなければいけない価格というマイナス情報の価値」を上回った時点で人は購入に至る、という考え方になります。
便利な機能の紹介、類似商品との比較表、実際に好評価を得たクチコミなど、価値の主張を行うためのアプローチはいくつもあるはずです。コンテンツを何パターンか用意し、自社のターゲットに最も有効なものを分析してください。
2. 行動喚起(CTA)
ページ訪問者に次の行動を喚起するCTA(Call to Action)ボタンについては、デザインも重要ですが、ここでは数とラベルに注目します。
まず、CVRを上げる対象ページで促す行動は、訪問者にいくつかの選択肢を与えるのではなく、なるべく1つだけに絞っておくと有利なようです。調査においては、1つのボタンしかないページが、3つのボタンがあるページの3倍以上クリックされた例もあります。
次に、CTAボタン上の文章であるラベルを分析してください。意図するとおりの行動を促す文章というのは、意外に作成が難しいものです。具体的かつ簡潔に、それでいて押したくなる心理に働きかけなくてはいけません。
問合せひとつを取っても、「問い合わせる」と「今すぐ問い合わせる」では結果が異なります。たとえば、何らかのダウンロードボタンのラベル例は以下のとおりです。
- ダウンロード
- 今すぐダウンロード
- かんたんダウンロード
- クイックダウンロード
ラベルだけを変えた複数のページを作成してパフォーマンスを比較し、ターゲットが最も好むものを探してみてください。
3. 内容
CVRを上げたいページやメールの内容については、まず以下の3つの質問について吟味します。
- 大きな文章の段落は必要か?
- どこかに箇条書きは必要か?
- どこかに画像は必要か?
たとえまったく同じサービスについて問い合わせをさせる内容でも、上記の3点の違いによってCVRは変わってくるはずです。読者にたくさんの文章を読ませている感覚を与えず、それでいて必要情報をきちんと提示する視覚的な工夫をしましょう。
また、既に読者が購入姿勢にある場合は、スクロールせずに見える範囲内に最低限の詳細を表示するほうがCVRが上がる傾向にあるようです。読者が自信を持ってCTAボタンを押すために、そこで目にすべき内容を吟味してください。
4. 意識を妨げる要素
なにより、CVRを上げたいページやメールの目的は「コンバージョンを上げることのみ」であることを再認識しましょう。
訪問者にできるだけ多くのコンテンツを見てもらおうと、しばしばランディングページやメール広告に直接関係のない情報を含めている場合がありますが、これは読者の気を逸らせてしまいます。ポップアップ広告はもちろん、動画やその他のオファー、目立たせる配色など、良かれと思って盛り込んだものであっても、それらがCVRを下げる結果となっている場合があるのです。
優先順位の低いものから思い切って削除し、パフォーマンスへの影響を分析してください。それらがCTAボタンに向いている読者の意識を妨げる要素かどうか、きちんと見極める必要があります。
5. 疑問や不安を抱かせる要素
書くべき内容が網羅されていても、読者が以下のように感じる文章では疑問や不安を抱かせることになります。
- 紛らわしい
- 不明瞭
- 警戒させる
- 苛立たせる
執筆者はしばしば、商品やサービスの内容を熟知しているあまり、無意識にこうした印象を与える文章を書いてしまいがちです。完成したコンテンツは、発表する前に必ず一般の目線に近い社員に見てもらい、彼らの意見を柔軟に受け止めましょう。
読者が疑問に思うであろう要素には先回りをし、それを解消する情報を見やすく提示してください。価格は、特に重要です。たとえ見積ベースで値段が決まる商品であっても、具体例を挙げて実際の価格を示すことで、読者の疑問や不安を取り除かなくてはいけません。また、人気商品のアイコンをはじめ、意思決定を助ける工夫もCVR向上に役立つようです。
6. モバイル表示
モバイル、とりわけスマートフォンを縦置きにした状態で最も効果的になるページデザインを優先的に採用してください。近年では、高額商品でもスマートフォンで購入手続きをするケースが増えてきています。読者もすっかりモバイルに慣れ、その方が便利で手軽だと感じる傾向が強くなってきている証拠です。
確かに、まだ「スマートフォンで検索し、デスクトップパソコンで購入する」のが一般的だとはよく言われています。しかしそれは、単にスマートフォンで表示したときのページが「不十分」であることが理由となっている可能性が否めません。
画面の見やすさ、フォームの入力しやすさなど、小さな縦長のモニターを基準として最適化すれば、検索からそのままコンバージョンに繋がる確率が上がります。「一度画面を閉じる訪問者が、改めて再度パソコンからアクセスしてくるのを待つ」という綱渡りは、省くに越したことはないでしょう。
まとめ
CVRの向上は、コンテンツマーケティングのゴールとも言えます。日々のコンテンツ作成に費やす膨大なリソースを無駄にしないためにも、コンバージョンを狙うページやメールなどはパフォーマンスを最大化したいものです。以上の6ポイントについて、妥協のない分析を重ねてコンテンツをブラッシュアップし、CVRの向上を目指していきましょう。
参考サイト: