企業がYouTubeの企画を作る方法と企画例
ルイス前田
企業がYouTubeの運営で頭を悩ませるのはYouTubeの動画企画と、YouTubeの認知を高めるマーケティングです。そこで本記事では、YouTubeの企画を作る3つの方法と、企画例をご紹介します。
いずれも王道の方法ですが、YouTubeを新しく始めるならまずは王道から。動画の本数や再生回数が伸びてきて、十分なデータが蓄積されたらデータを元に企画を作ることをオススメします。
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筆者のプロフィール
Web系広告代理店で上場一部企業のWeb集客を担当し、Web系ベンチャー企業で自社のマーケティングを経験しました。その後、独立してYouTubeの立ち上げやコンサル、動画編集などを合計6社経験しました。
YouTube動画の撮影や編集ではなく、企画で困っている企業担当者さんが多いため、これまでのノウハウを分かりやすくまとめました。
YouTubeの企画を作る方法
自社のYouTubeが立ち上げ前〜チャンネル登録が1000人未満までの場合、企画を作る方法は下記の3つです。
- 既存のオウンドメディアを元に企画を作る(オススメ)
- Googleの検索キーワードを元に企画を作る
- YouTubeの検索キーワード・関連キーワードを元に企画を作る
- 競合の動画を元に企画を作る
ちなみに、チャンネル登録が1000人以上の場合は、YouTubeチャンネルの分析アプリ「YT Studio」のアナリティクスから確認できる「上位YouTube検索キーワード」から企画を作ればOKです。
既存のオウンドメディアを元に企画を作る(オススメ)
それでは、具体的なYouTubeの企画方法です。自社でオウンドメディアを運営していれば、掲載されている記事がそのまま企画となり、さらに台本にもなります。
例としては、株式会社IKUSAの運営する「IKUSA Inc.」がオウンドメディア→YouTubeの作り方です。
執筆時点で1.3万回再生されているこちらの「研修のアイスブレイクで使えるゲーム6選で必ず盛り上がる!」は、オウンドメディアに掲載されている「少人数でも盛り上がる!オススメのアイスブレイク30選を紹介!」や「体を動かすアイスブレイク30選!人数に合わせたネタを紹介します」などの記事をベースに作られています。
こちらでは複数の記事で紹介されているアイスブレイクの中から、一部をピックアップして動画にしていますが、1つの記事をそのまま1つの動画にしてもOKです。
オウンドメディアの記事を元にYouTube動画を企画するメリットは以下の3つです。
- すでに人気の企画が分かる
- 台本をゼロから作らなくて済む
- 企画と台本にかかる費用を削減できる
- 完成した動画をメディアに掲載することで、再生数を伸ばしやすい
企画が作成できても、その後の台本作りで工数がかかりすぎてYouTubeを敬遠してしまうケースも多いため、リソースが不足している会社ほど、記事を企画&台本とする手法はオススメです。
オウンドメディアとYouTubeを連携するデメリットはないので、ぜひご検討ください。
Googleの検索キーワードを元に企画を作る
自社にオウンドメディアがない場合、YouTubeの企画を作るためにはGoogleの検索キーワードをベースにします。理由は、Googleの検索結果にYouTubeの動画が表示されるようになったからです。
表示のされ方は、先ほどの動画(研修のアイスブレイクで使えるゲーム6選で必ず盛り上がる!)なら、こちらのスクリーンショットの形式です。
検索結果にYouTubeが表示されるかどうかは検索キーワードによります。例えば、「サッカー フリーキック」など動きを知りたい検索ワードは動画が表示されますが「サッカー 日本代表」では動画は表示されません。
なお、検索キーワードごとに動画が表示されるか、されないかについては、Google側も調整をし続けているようなので、自社の商品やサービスに関連するキーワードを定期的に調べることになります。
YT Rival Finder
YouTubeが表示されるキーワードを短時間で調べたい場合は、有料ツールの「YT Rival Finder」が有効です。月額3980円で、入力キーワードと関連するキーワードのGoogle検索上での動画順位が表示されます。
YouTubeの検索キーワード・関連キーワードを元に企画を作る
自社のオウンドメディアもなく、検索結果にYouTube動画が表示されるGoogleキーワードもない場合、最後に使うのはYouTubeの関連キーワードです。
関連キーワードの最も簡単な調べ方は、YouTube内にある検索ボックスを使います。
スクリーンショットのように、検索ボックスにキーワードを入力すれば、一緒に調べられている関連キーワードが表示されています。
ただし、この方法はキーワードをまとめる手間がかかり、それぞれのキーワードの検索ボリュームも分かりません。
ある程度、YouTubeの検索キーワードに当たりをつけたら、本格的な調査は「ユーチューブサジェストキーワード一括DLツール(無料)」やahrefsの「YouTube Keyword Tool(有料)」を使います。
ユーチューブサジェストキーワード一括DLツール
「ユーチューブサジェストキーワード一括DLツール」は、YouTubeの検索キーワードを一覧で表示し、csv方式でダウンロードすることができます。
無料で利用できますが、それぞれの検索キーワードの検索ボリュームは分かりませんので、 Googleの「キーワードプランナー」などを使った追加調査が必要です。
YouTube Keyword Tool
「YouTube Keyword Tool」はYouTube内での検索キーワード、関連キーワードに加えて、検索ボリュームを調べることができます。
料金は執筆時点でライトプランが月額99ドルとスタンダードプランが月額179ドルです。どちらのプランにも7日間・7ドルのトライアルプランがありますので、キーワード調査が短期間で終わる見込みならオススメです。
ただし、筆者の認識ではYouTubeは検索キーワードのボリュームデータを公開していないはずなので(Googleは公開しています)、「YouTube Keyword Tool」での表示される検索ボリュームは、推定値のはずです。
競合の動画を元に企画を作る
YouTubeの企画を作る最後の方法は、YouTube上で先行するYouTuberや競合他社の動画を元にする方法です。ただし、動画上の情報から「なぜこの動画が多数再生されているか」を読み解くのは、困難です。
YouTubeの再生数が伸びる仕組みは
- YouTubeによる推奨
- YouTube内検索
- 関連動画
- YouTubeチャンネルからの流入
- Googleからの流入
- SNSからの流入
など多岐に渡ります。
そのため
- オウンドメディアの記事の閲覧数が多い
- Googleの検索結果で表示される、検索数が多い
- YouTubeで多く検索されている
などの客観的なデートを元にしないと、再現性の低い手法を採用する可能性が上がります。くれぐれもご注意ください。
企業がYouTubeの企画を作る方法 | まとめ
企業がYouTubeの企画を作る方法ついては以上です。YouTubeの運営は、企画の作成に限らず、台本、撮影、編集など社内で未経験の分野が満載です。そのため、スタートする前は億劫ですが、軌道に乗ってくればさまざまなデータが蓄積されるので、あとはデータを元に改善を続けるだけです。
逆に、自分が「YouTubeって大変そうだなぁ」と感じる場合は、競合も同じように感じています。ぜひ、他社より抜きん出るチャンスを逃さないようにしましょう。