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ブランドの成功に欠かせない「ストーリーテリング」の基礎とコツ

ブランドの成功に欠かせない「ストーリーテリング」の基礎とコツ
シードー

シードー

ブランドのファンを作り、競合ブランドとの差別化において重要な役割を果たす「ストーリテリング」。コンテンツマーケティングの成功例としてもよく耳にする、業界のトレンドとも言えます。しかし、これを苦手とする企業は多く、効果的なコンテンツを作成できずに行き詰まるケースがあるようです。

そこで今回は、英国に本社を置く老舗のグローバルメディア企業「UBM」が運営する、コンテンツマーケティングブログより、ストーリーテリングの上で押さえておくべき基礎概念や実績のある手法などをご紹介します。

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ブランドストーリーテリングとは?

ストーリーテリングは、物語を利用してブランドを顧客と結びつけるコンテンツです。視聴者自身の経験や価値観にブランドがシンクロするよう物語を通して訴えかけ、潜在顧客または顧客からの精神的な支持を得るのが目標となります。

そのために、まずはブランドの価値について考えてみてください。ブランドの原動力となっているものは何か、その本質や存在意義、性格的特性などが、ブランドの「価値」です。

  • ブランドが存在する理由
  • ブランドが発生するに至るまでの歴史
  • ブランドの主人公
  • 企業としての使命
  • 失敗談
  • 足りないもの

アイデアが固まらない場合は上記の項目について考え、「登場人物」や「背景」「話の筋」「山場」「落ち」などを検討しましょう。コツは、製品やサービスという括りを超越したものを作ることです。

「夢に向かって努力する女性を主人公とし同じような夢を持つ同志を味方に付ける」「少年の心の挫折と復活を描いて同じような経験をした人の共感を得る」といった単純な切口はもちろん、「ある昆虫の生きざま」をブランドの歴史に重ねたり、「新規開拓をめざすターゲット像」を掘り下げたりすることでストーリーテリングを行うこともできるでしょう。

それでは、ここからストーリーテリングの作成に活かせる具体的な3つの手法をご紹介します。

データ駆動型ストーリーテリング

データ駆動型ストーリーテリングでは、調査データに基づいてコンテンツの方向性を固めていきます。調査を行う対象は以下の3点です。

  • 文化
  • ニュース
  • (自社の)ブランド

これらに対する洞察から、「時事的な問題提起」「人々の関心を裏付けるトピックの実績」「問題解決に尽力するブランドの存在意義」などをまとめてストーリーテリングをデザインしていきます。

ここでは、米ヘルスケア企業のOptumの成功例を見てみましょう。

  • 文化:米国ではオピオイドの過剰摂取により13分毎に1名の死者が出ている。
  • ニュース:ワシントンポストでは、上位5つのオピオイド関連記事の閲覧数が年間計60万件に達した。
  • ブランド:Optumは、エビデンスに基づいたアプローチにより、オピオイド問題と闘っている。

上記の洞察を経て、Optumは米国内でオピオイドの過剰摂取率が最も高いマサチューセッツ州の町を舞台にストーリーテリングを作成しました。

この作品は、教育的な情報(オピオイドが脳や体に及ぼす作用)と、感情を動かす物語(オピオイドの流行による犠牲者の実態)で構成されています。視聴者の知的好奇心を満たす情報と、中毒に苦しむ人々とその介護者へのインタビューというノンフィクションドラマによって、視聴者の心を強く掴んだストーリーテリングの成功例です。

視聴者中心型ストーリーテリング

視聴者中心型ストーリーテリングは、一見した際に何のブランドのプロモーションか分からないほど、徹底的にブランドを取り除いて作られています。ブランドのエゴを一切含めず、視聴者のニーズを中心に据えて作られたストーリーテリングです。

最後の最後に一瞬ロゴが映るまで、その動画が広告を目的としたものであることにすら気付かないようなストーリテリングコンテンツを、昨今では誰しも一度は目にしたことがあるだろうと思います。これは、「視聴者側がコンテンツ消費の主導権を握っている」ということを理解している製作者の戦略です。

視聴者は、限られた時間を有意義に過ごすために、メールを開かずに破棄し、広告ブロッカーをインストールし、ブログを読まずに素通りします。しかし、その一方で、自分が興味を持ったものに対しては何度も同じ動画を見たりシェアしたりするのです。

そこで、「視聴者の共感を得る」または「ニーズに合う」面白いストーリーテリング動画コンテンツを、一切ブランドを匂わせずに作り、まずは動画の内容を支持されるのを待ちます。その動画を作ったのは我々です、とブランドを押し出していくのは、動画のファンができてからで問題ないとする手法です。

この戦略によるストーリーテリングは結果が出るまで時間がかかりますが、多くのマーケッターが支持する方法のうちの1つとなっています。

ニュースアウトレット型ストーリーテリング

ニュースアウトレット型ストーリーテリングは、業界専門のニュースを動画コンテンツにしてしまう手法です。ここでもやはり、自社のブランドを露出することを一旦は忘れましょう。あくまで客観的な姿勢でコンテンツを作り、「ニュース」として外部から認めらることが、最終的な成功への近道です。

客観的なコンテンツは、視聴者からの信頼を獲得します。情報の発信源として業界の中心に立つことを目指してください。そして、ある程度支持を集めコンテンツが増えた段階で、Googleニュースをはじめとしたニュース配信サービスに申請することができます。これは、飛躍的に視聴者を増やすための有力な方法です。

それでは、実際に成功例のあるニュースアウトレット型のストーリーテリングのアイデアを挙げてみましょう。

  • 展示会やイベントなどの現場で撮影したレポート動画
  • 工場や研究室など、普段は関係者以外が見る機会のない場所の見学動画
  • 実際の顧客や専門家へのインタビュー動画

客観的な姿勢を崩さなければ、ストーリーテリングに登場する人物はレポーターを含めて社内の人間で問題ありません。また、こうしたニュース動画の作成でカメラを向けられた人は、たとえ競合他社であっても快く出演に応じてくれる場合が多いといいます。

まとめ

ブランドのファン作りにおいて、他社と差別化しやすいストーリーテリング。海外では高い評価を得ている個性的で心に残る動画がたくさん配信されています。そうした他社のコンテンツや今回ご紹介した手法を参考に、自社に合ったストーリーテリングの形を模索してみてください。

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