買い手の目線に合わせるキーワードリサーチの方法
元親-MOTOCHIKA-
コンテンツマーケティングのためにサイトの訪問者数を増やしたい。これを実現するためにWEB担当者が尽力するSEO対策のひとつが、キーワードの選択です。
そこで今回は、ターゲットの段階に合わせたキーワードリサーチについて、シアトルに拠点をおくデジタルマーケティングソフトウェア販売会社の人気ブログよりご紹介します。
この方法を提唱しているのは、SEO専門家のマシュー・ケイ氏です。彼は、関連語句や検索ボリュームなどのデータだけではなく、買い手の目線に合わせることで、潜在顧客をカバーする可能性の幅を広げるといいます。潜在顧客がさまざまな経験や段階を経て、購入に至るまでの目線を熟慮したキーワードリサーチとは、一体どのようなものでしょうか?
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いかなる商品やサービスを購入する際でも、買い手は必ず3つの段階をたどります。それが「意識」「検討」「決定」です。この法則は、ECサイトでの購入にも当てはまります。
- 意識: 問題を発見し、特定の分野についての情報収集を行う
- 検討: 問題を明確に理解し、解決に役立つ情報を探し始める
- 決定: 特定の商品やサービスを購入する準備が整い、なにを購入するか決める
たとえば、妻子を持つ会社員の男性が、夏休みに旅行へ行かなかったことを残念に思い、「冬休みには何かを企画すべきだろうか」と考えます(意識)。その段階でのキーワードは「冬休み 家族旅行」などです。次に、男性は「スキーに行きたい」という家族の意見を取り入れ、なるべく家から近い人気のスキー場を調べ始めます(検討)。そして、行き先のスキー場が決まったら、ホテルやスキー用品のレンタルなどについて調べ、予約を入れるでしょう(決定)。
決定段階の潜在顧客については、ほとんどの企業が注目しているはずです。この段階に向けたコンテンツとしては「製品・売り手・価格などの比較」「クチコミ・レビュー」などが挙げられます。たしかに、すでに購入意欲の高まっている潜在顧客に向けたコンテンツはCVRが高くなりますが、意識段階や検討段階から誘導を試みることも、決して無駄とは言えません。
SNSをはじめ、予算のあまりかからないコンテンツもあります。買い手がたどる道の各段階に向けてキーワードリサーチを行い、コンテンツマーケティングに活用することは十分可能ではないでしょうか。
買い手の目線に合わせるキーワードリサーチの手順
それではここから、潜在顧客の目線に合わせたキーワードリサーチの手順をご紹介しましょう。
1. キーワードを収集する
最初に、およそ通常のキーワードリサーチで行うとおり、ランキングで上位を狙いたいキーワードを収集します。最低でも15~20個程度のキーワードを集め、それらを「種」とするのが良いでしょう(商品ラインの量によっては、これよりもずっと多くなる場合があります)。この段階では、まだ「潜在顧客が検索しそうなキーワード」の状態です。
2. キーワードリストを拡張する
キーワードを集めたら、Google Search Consoleをはじめとしたツールを使ってリストを拡張していきましょう。たとえば、「種」となるキーワードが「スキー場 バンガロー」の場合、「レンタル」「宿泊」やスキー場の地名などのキーワードを合わせることができます。なお、キーワードが専門的な語句や外来語などの場合は、ここで一般に使われている用語に修正してください。
3. 関連性の低いキーワードを除外する
リスト内のキーワードをトピックごとに分け、買い手の目線を考慮して関連性の低いキーワードを除外します。これはとても時間のかかる作業です。コンバージョンに直結しないキーワードでも、潜在顧客のたどる道を熟考し、慎重に取捨選択を行ってください。
すでにスキーに行くことを決めた潜在顧客が「検討」段階で検索するキーワードなのか。冬休みの過ごし方について意識し始めた潜在顧客が「意識」段階で検索するキーワードなのか。目線を具体的に考えてキーワードを整理することが重要です。
4. データと統合する
キーワードの組み合わせをリストにできたところで、SEOツールを用い、検索ボリュームや競争率、キーワード広告費などのデータをリストに加えていきます。
5. 潜在顧客のたどる段階に合わせる
次に、リストにもう1つ列を設け、キーワードの組み合わせに対して、それぞれの対象となる潜在顧客の段階、「意識」「検討」「決定」を記入してください。この情報はのちに、各キーワードそれぞれにどのようなコンテンツが適しているか判断する際に、とても役立ちます。たとえば、「料金」、「価格」などのキーワードは決定段階に入ることが多く、料金比較のコンテンツ作成について考えることができるでしょう。
ここまでできたら、さらに列を設け「5タイプのキーワード」に分類します。
- ピラーページ用のキーワード: カテゴリーのトップページで使うべきもの
- クラスタページ用のキーワード: カテゴリーに含まれる各記事で使うべきもの
- ターゲットページ用のキーワード: 訪問者を最終的にたどり着かせるページに使うべきもの
- 経過を見るべきキーワード: ターゲットページのランキングに影響を及ぼす可能性が見込めるもの
- 無視すべきキーワード: 「検索ボリュームがあまりに低い」「競争率が高すぎる」などの理由で見送るもの
こうして徐々に、具体的なターゲットを意識した有望なコンテンツのキーワードを選ぶ指標を明確にしてください。
6. マッピングとギャップ分析を行う
最終的にキーワードを絞り込めたら、それぞれにおける既存のコンテンツの有無を調べ、リストに情報を加えていきます。カテゴリートップ(ピラーページ)、カテゴリー内の一般記事(クラスタページ)など、そのコンテンツがWEBサイトのどこに位置しているかを必ず把握してください(キーワードマッピング)。
すでにそのキーワードで作成したコンテンツがある場合は、その記事がこれまで検索エンジンによってどのように解釈・評価されているかを調査しましょう。それにより、意図したキーワードが実際に機能しているかどうか、状況を把握することができます(コンテンツギャップ分析)。
まとめ
企業にはWEBマーケティング予算があるため、サイト内のコンテンツがCVRを強く意識したものに偏るケースも多々あります。しかし、インターネット検索が身近な現代では、意識段階や検討段階にある潜在顧客へのアプローチも可能です。
買い手の目線に合わせるキーワードリサーチでコンテンツを充実させ、受け口の広いWEBサイトを目指すのも有意義かもしれません。
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